労働災害

労働災害
(1) 労働災害
 勤務中の事故や業務による疾病など、業務に起因する労働災害が発生した場合、いわゆる労災保険等による補償がなされ、会社に責任があると認められる場合には、別途、会社に対し損害賠償を求めることもできます。
ところが、会社によっては、労災保険への加入手続をしていなかったり、労災保険の手続に協力しない場合があります。
 また、労災保険の補償以外の賠償に応じない場合もあります。
 一つの労働災害の陰にはその数十倍の労働災害が隠れています。同じ職場で働く同僚に同じような被害に遭わないようにするためにも、労働災害に対しては声を上げることが何より大事です。
 会社の対応に疑問を感じた場合には、まずは専門家である当事務所の弁護士まで、お気軽にご相談ください。

(2) 追加の補償
 労災保険給付によっても全部の損害を賄うことができない場合には、会社に対して追加の補償を求めることができます。損害額だけではなく、過失相殺を巡って事故原因や事故態様が争いになる場合も多く、交渉も難航することがあるため、弁護士に依頼する方も多いです。
 当事務所は相談者の方にとって最善の対処法を提案したいと考えています。

(3) 審査請求
 被災労働者又は遺族等は、労働基準監督署長が行った保険給付の不支給決定に対して不服がある場合には、その決定をした労働基準監督署の所在地を管轄する労働局に置かれている労災補償保険審査官(以下「審査官」といいます。)に不服の申し立てをすることができます。
 不服申立ては、直接、審査官に対して行うことができますが、審査請求人の住所を管轄する労働基準監督署長や保険給付に関する決定をした労働基準監督署長を経由して行うこともできます。
 不服申立ては、保険給付に関する決定があったことを知った日の翌日から起算して60日以内に行わなければなりません。

(4) 再審査請求
 審査官の決定に不服がある場合や審査請求後3か月を経過しても審査官による決定がない場合には、労働保険審査会に対して、再審査請求をすることができます。
 再審査請求は、文書で労働保険審査会に対して行います。なお、再審査請求人の住所を管轄する労働基準監督署長、最初に保険給付に関する決定をした労働基準監督署長や審査官を経由して行うこともできます。
 再審査請求は、審査官から決定書の謄本が送付された日の翌日から起算して60日以内に行わなければなりません。
 再審査請求では、テレビ会議方式で、審査会に意見を聞いてもらうこともできます。しかし、審査は形式的な印象で、なかなか意見が通らないのが実情です。

(5)訴訟
 労働基準監督署長が行った保険給付に関する処分についての取消訴訟は、その処分についての再審査請求に対する審査会の裁決を経た後でなければ提起することができません。
 ただし、再審査請求後3か月を経過しても審査会の裁決がないときは提起することができます。
 再審査請求が通らない場合でも、裁判官が記録を精査し、正しい判断をしてくれる場合があります。



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